空き家はリフォームしてから売る?そのまま売る?工事を頼む前に比べたいこと

古い家の室内と床材・壁紙の見本、メジャー(AI生成のイメージ) 相続した家の売却
売却前のリフォームを検討するイメージ(AI生成。実際の施工事例ではありません)

実家を売ろうと思って久しぶりに見に行くと、壁紙も床も傷んでいる。キッチンやお風呂も、今の家に比べると古く見える。

このままでは買う人がいないのでは、と考えて、先にリフォームの見積もりを取ろうと思うかもしれません。

でも、工事を頼む前に、一度そのままの状態で売る場合と比べてみてください。

きれいにすれば見た目は変わります。ただ、工事にかけたお金が、そのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。買う人が自分の好みに直すつもりなら、売主が選んだ設備や内装が決め手にならないこともあります。

まず比べたいのは、売れる金額だけでなく、売るまでに出ていくお金と時間です。

「工事をする」と決める前に、3つの売り方を並べる

選択肢先に確認したいこと
現状のまま、仲介で買主を探す今の状態で検討する買主がいるか。価格や引渡し条件はどうなるか
必要な部分を直して、仲介で買主を探すどこを直すと誰に選ばれやすくなるか。費用に見合う見通しがあるか
現状のまま、不動産会社の買取を相談するその会社が購入できる物件か。買取価格と修繕・残置物などの条件はどうか

「現状のまま」という言葉だけでは、買主が何を引き受けるのかまでは決まりません。修繕する部分、残す設備、荷物の扱いなどは、見積もりや契約条件で具体的に確認します。

買取であっても、必ずすべての物件を買い取れるわけではありません。仲介でも、古い家だから必ず工事が必要、というわけではありません。

リフォームの種類と費用の相場を知っておく

リフォームといっても、壁紙を一部屋だけ貼り替える工事と、水回りを一式交換する工事では、必要な金額が大きく違います。まずは、どの工事にどの程度のお金がかかるのかを見てみましょう。

リフォームの種類・範囲費用の参考目安
壁紙の貼り替え(6畳の一室)5万~7万円
フローリングの張り替え(6畳の一室)10万~18万円
システムキッチンの交換60万~200万円
ユニットバスへの交換60万~150万円
トイレの便器交換(洋式から洋式)12万~50万円
洗面化粧台の交換10万~30万円
外壁の塗装60万~180万円
屋根の塗装35万~80万円
屋根の葺き替え(屋根材を取り替える工事)80万~150万円

出典:リフォームガイド「リフォーム費用、いくらかかる?」の工事内容別の目安(2026年9月28日確認)。全国一律の料金や、retroの工事見積もりを示すものではありません。

設備のグレード、施工面積、建物の傷み、配管の移動などによって金額は変わります。外壁・屋根は面積をそろえた価格表ではなく、建物の大きさでも変動します。消費税、撤去・処分費、足場代、下地の補修費などがどこまで含まれるかを見積もりで確認し、最終的には税込総額で比べてください。

売却前は「見た目を整える工事」と「不具合を直す工事」を分ける

壁紙や床の表面を整える工事は、見た目を改善する選択肢です。ただし、費用が比較的小さくても、必ず売る前に行うべきとは限りません。買主が入居後に内装を変える予定なら、好みに合わせて直せる状態を求めることもあります。

キッチンや浴室の交換は、設備を新しくする工事です。売却だけを目的に両方を交換すると、まとまった費用を先に負担することになります。使える設備まで交換する前に、現状での買取価格と、工事後に売る場合の見通しを比べましょう。

雨漏り、床の沈み、配管の故障などは、原因を確かめて修繕範囲を決める必要があります。表の「屋根塗装」の金額を、そのまま雨漏り修理の予算にすることはできません。安全確保が必要な状態は別に対応しつつ、工事を誰がどこまで負担するかを売却条件と合わせて考えます。

すでに工事の見積もりがある場合は、retroへの売却相談でその内容もお見せください。そのまま買い取る場合の条件と比べる材料になります。

工事後の価格から、工事費を引いて考える

例えば、今の状態なら500万円、100万円の工事をすれば580万円で売れると見込んだ場合を考えます。

これは説明のための仮定で、相場や査定結果ではありません。

  • 現状のまま:500万円
  • 工事をした場合:580万円 − 工事費100万円 = 480万円

この例では、売却価格は上がっても、工事費を差し引くと20万円少なくなります。ここからさらに、仲介手数料や登記などの費用、税金、保有中の費用をそれぞれ確認する必要があります。480万円を最終的な手取りと考えるわけではありません。

逆に、必要な補修によって検討できる買主が増え、費用をかける意味がある場合も考えられます。大切なのは、「きれいになるから」という理由だけで決めず、工事前後の売却見通しと費用を同じ条件で比較することです。

国土交通省が公開する空き家対策の事業報告でも、売却物件の補修について、工事による条件の改善と、工事の代わりに価格を調整する方法を検討する考え方が示されています。国土交通省公開資料

雨漏りや傷みは、見た目を整える前に相談する

壁紙を貼り替えれば、室内はきれいに見えます。でも、もし壁の染みの原因が雨漏りなら、壁紙だけを直しても原因が残るかもしれません。

修繕を考えるときは、「古く見える部分」と「不具合がある部分」を分けて伝えてください。

  • 雨の日に水が入る場所はあるか
  • 床が沈む、傾いて感じる場所はあるか
  • 過去に直した場所と、分かる範囲の時期
  • 現在使っていない設備や、動作を確認できていない設備

分からないものを無理に正常・異常と決める必要はありません。「使っていないので分からない」と伝えたうえで、必要な調査を考えます。

倒れそうな塀や落下しそうな部材など、周囲へ危険が及ぶ状態なら、売却の比較とは別に専門業者等へ安全確保を相談してください。危険な家に入って、自分で確認しようとする必要はありません。

査定で確認することは、空き家の査定・調査の流れでも紹介しています。

不動産会社には「何を直せば、どう変わるか」を聞く

「直せば売りやすくなります」と言われたら、もう少し具体的に聞いてみてください。

  1. 今の状態で売る場合、想定する買主と価格はどうなるか
  2. 工事をするなら、どの部分を、何のために直すのか
  3. 工事後の価格の見通しには、どのような根拠があるか
  4. 工事期間と、追加工事が必要になった場合の費用はどう考えるか
  5. 工事をしても売れない場合、次にどうするか

売却までの期間が延びれば、管理や往復の負担も続きます。遠方の実家なら、工事への立会いや鍵の受け渡しも含めて比べると、判断しやすくなります。

見積もりを取った後でも、工事を頼む前に比べられる

すでにリフォームの見積もりを取っていても、すぐ契約する必要はありません。工事内容と金額を確認し、そのまま売る場合の条件と並べて考えましょう。

retro不動産では、東京・神奈川・埼玉・千葉の実家や空き家について、現在の状態から売却を相談できます。まずは「工事をするか迷っている」とお知らせください。

工事を勧める前に、物件の状態と売却の希望を整理し、買取の可否や条件を検討します。売却価格や買取を約束するものではありません。

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